「とんでもスキルで異世界放浪メシ」という作品をご存知ですか?
何の変哲もない主人公が、異世界へ何故か「ネットスーパー」というスキルを手に入れ、現実世界から様々な食べ物を採り入れ、異世界の強い魔物に気に入られて無双する…という話の漫画。私は漫画時代からよく見ており、アニメも見ていました。
が、ここで気になったのは「アニメ作中に出てくる実製品の多さ」なんです。

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例えば石鹸は「KAO」のCI刻印がされた、紛れもない花王製品ですし、

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てりやきのタレは、エバラ食品のものがそのまま出てきました。
こういう、メーカーとタイアップして作中に出てくる小道具に実在製品を登場させることを、「プロダクトプレイスメント」と言います。
「とんでもスキルで異世界放浪メシ」でも、企業協力として
・イオンリテール
・エバラ食品工業
・サントリーホールディングス
が入っています。
従来は避けがちだった
これまでのアニメでは、実製品・ブランド名を避ける傾向が見られました。
例えば「マクドナルド」も、mをwに反転させた「ワクドナルド」となるのはあまりにも有名な実例ですね。
これはスポンサー提供業者がアニメ制作時に決まっていないことや、商標権の兼ね合いがあったものとみられます。
転機となったのは、2011年に放送された「TIGER & BUNNY」。
作中にソフトバンクや牛角など、実際の企業名が登場したきっかけとなった作品なのだそうです。
映画・ドラマではよくある
一方で映画やドラマでは、実製品を登場させることは比較的よく見られました。
古くは1955年のハリウッド映画からあり、日本でも1953年~の「ゴジラ」に出てくる森永キャラメルやバヤリースや、1967年「007は二度死ぬ」で、トヨタ・2000GTを中心としたトヨタ車の宣伝が行われました。
冒頭で話したNetflixもそうですが、今や気に入らないシーンはパっとスキップできる時代。
CMは飛ばされて広告訴求効果も薄れる中、プロダクトプレイスメントは広告効果を期待できる宣伝手法として現在でも通用する広告手法となっています。
昨今のアニメの風潮は、この流れも受け継いでいるものとみられます。
ちいかわの例
大人気作品「ちいかわ」では、珍しく漫画時から実製品の名前が登場しています。
・チャルメラ(明星)
・おかしのまちおか
・青雲
ナガノさん(と編集部)が、最初からプロダクトプレイスメントを狙っていたのなのか、それとも単に好きなだけなのか…はわかりませんが、いずれもアニメにおいてちゃんと出てきています。
世界コンテンツに出す旨味
アニメはもはや国内だけでなく、NetFlixなどでワールド展開できるコンテンツ産業となりました。
YOASOBIが意識的にアニメタイアップをしかけるのも、世界へ配信する入口としての機能をアニメに期待しているからに他なりません。
かつては「アニメ主題歌なんて…」と避けられていましたが、今やアニメは歌をバズらせるのに必須のツールなんです。
余談

スイちゃんかわいい。
関連リンク
参考文献
- アニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」
- VOGUE JAPAN『アニメの中に、なぜプロダクトプレイスメントが急増したのか──【MY VIEW│Ryo Koarai】』
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