兵庫県知事選挙2024

2024年11月17日に行われた兵庫県知事選挙。

辞職して立候補した斎藤元彦氏が序盤の劣勢を巻き返し、前回よりも25万票を積んだ111万票を獲得し、見事に再選されました。おめでとうございます。

番狂わせな結果だったからか、各所で阿鼻叫喚の反応がよく見られますが、私が考える今回の勝因は以下にある感じがします。

 

①マスコミへの憎悪・不信

今回斎藤氏への投票が多かったのは50代以下の方。この層は、テレビよりもウェブを通じての情報収集が多く見られます。

この根底にあるのが、なんといってもマスコミ不信でしょう。

斉藤知事が辞職される前、「おねだりした」などの話が出てきましたが、おねだりされたという養父市観光協会の否定や、地元発の小さなコミュニティ紙などからそれらが嘘だったと拡散されたことなどから、大きく状況が変わりました。

あれだけセンセーショナルに報じられた「おねだり」が嘘だったという言説が拡散されたのも、不信の渦となった感じがあります。

 

 

また、齊藤知事は批判に晒されている中でも一人で立ち続けました。

この対応に「叩きすぎ」「かわいそう」という反応も出てきたことや、以前よりあったマスコミへの不信感をはじめ、公務員や地方議員への不信感もあわさって、SNSの拡散で大きな力になった感があります。

 

・マスコミは真実を報じていない
・マスコミは都合悪いことは報じない(辺野古警備員さんが轢殺された事件)
・マスコミは忖度する(ジャニーズ事件)
・マスコミはすぐに扇動する
・マスコミは信用できない

マスコミは、嘘は流さないが真実もカットする
ネットは、嘘も流れるが真実は隠さない

マスコミは嘘を流すネットを問題視する、視聴者は真実を話さないマスコミを問題視する

これら事象をほんのり感じていた層が、今回の選挙で「マスコミは国民の敵である」という言説が強化されてしまう結果になったのは、間違いなくマスコミ自身の責任でしょう。

 

サンテレビのコメント消し

また、YouTubeライブ内で流れたコメントを消している点も注目。

0:08  コメント消すな
0:11  兵庫県市長会の22人の市長さんたち、有権者が黙って許すと思うなよ。増えて待て。
0:16  コメントをけすから情報操作って言われるのをわかってないの?
0:24  コメント消すな!
0:42  サンテレビって、、情報操作してたん?

これらのコメントが消されている様子が上記動画内にて判明しています。こういうのは不信に繋がりますよねぇ…。

 

 

②既存勢力のいじめ

選挙戦も終盤になった11月14日。兵庫県下の22の市長が集まり、揃いも揃って斎藤氏を非難し、稲村候補者を支持する声明を出しました。

これらの行為は地元の神戸新聞からしても「極めて異例」と称されるほどです。

【支持した市長】

清元秀泰・姫路市長
松本真・尼崎市長
石井登志郎・西宮市長
上崎勝規・洲本市長
藤原保幸・伊丹市長
谷口芳紀・相生市長
岡田康裕・加古川市長
山本実・たつの市長
牟礼正稔・赤穂市長
山崎晴恵・宝塚市長
仲田一彦・三木市長
都倉達殊・高砂市長
越田謙治郎・川西市長
高橋晴彦・加西市長
林時彦・丹波市長
守本憲弘・南あわじ市長
藤岡勇・朝来市長
門康彦・淡路市長
福元晶三・宍粟市長
岩根正・加東市長。

それらは有権者から見ると胡散臭さを感じ、またいじめのようにも見えたことで反感を買ったのではないでしょうか。

 

また、この中の1人である相生市長の机を叩く動画(1:49あたり)が急速に拡散されたことも、胡散臭さを増長させたものとみられます。

tiktokではこの市長達のいじめに見える構図の他、「組織票」というワードに反感を買っている雰囲気も見られました。

 

 

③対抗馬の自滅

齊藤知事より序盤は優勢だった稲村和美氏は、最後に来て逆転負けを喫しました。

稲村さん自身はクリーンなイメージを押し出し、特に対立を煽ることもなく、淑やかに政策を主張していました。

ただ、周辺にいたのがイメージ悪化に拍車をかけた感があります。

この方が言われるように、随分偉そうな態度をしていた方も見られました。

大阪都構想時にも感じた当事者なのでよくわかりますが、県民としてはただただ不愉快なんですよね。

 

 

④不適切なセグメント

革新側(左派)が主張する「ネトウヨ」「保守」のターゲット指定が曖昧だったのも敗因として見え隠れします。

旧来の保守派である自民党系と、参政党・日本保守党・NHKから国民を守る会などはあまり相性が良いとは言えず、別の思想を持っています。

しかし左派はそれらを一緒くたにして批判してしまった。「齊藤に入れるのはコイツらと同じ!アホ!」と分断を加速させてしまった。

 

 

興味深かったポスト

 

まとめ

この選挙は、既存勢力であるマスコミの弱体化を印象付ける選挙となりました。

マスコミの退潮は、思えば2011年のフジテレビに対して俳優の高岡蒼甫氏がデモを起こしたところから始まっている気がします。

あの頃は「ネット」の代表がアングラな掲示板だったこともあり、ムーブメントとしては冷ややかでした。

あれから13年。現在は誰しもがアカウントを持つ「Twitter」であることから、じわじわと世代交代が進んでいます。

 

 

関連リンク

衆議院選挙2024年ダイジェスト

2024年選挙の大阪における「白票率」はどうだった?

プロフィール

執筆者:207

鉄道Webサイト運営20年目。
現在Osaka-Subway.comを含む4サイトと付随する動画媒体を運営中。

鉄道サイト運営のノウハウから、サイトとは全く関連性がない
ようなことまであれこれ書いていきます。

Xはこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です