選挙に行って「白票」を入れてきた話

皆さん、選挙には行かれましたか?

10月31日に行われた衆議院選挙。私はどの党・どの立候補者にも支持をしないという理由から「白票」を投じてきました。

名前を書かない投票なんて意味があるのか?実はあるんです。

 

 

お互いの邪魔をしないという協定

大阪3区という選挙地域があります。ここは西成区・住之江区・住吉区・大正区の4区がエリアとなる地域です。

大阪3区の白票率は、2014年の選挙において15%という数字となっています。全国平均での白票率は2-3%代ですから、これは平均を大きく上回る数字です。

要は、この地区では「支持できる候補者が誰もいない人が多い」という意思表示がなされているのです。

 

そこに目をつけて立候補に動こうとしたのが、大阪都構想で反対派の先陣を切っていた、自民党の柳本顕さんでした。

 

 

自民党のストップがかかる

しかしこれに待ったをかけたのが、柳本さんの所属する自民党でした。

 

自民党と公明党は協力関係にあり、お互いが食い合わないように立候補地域については調整しています。

・自民党支持だけどいないから公明党に投票する
・公明党支持だけどいないから自民党に投票する

という協力関係が成り立っています。

 

仮に、協力関係同士が同じ地域で立候補すると、

・自民党支持なので自民党に投票する
・公明党支持なので公明党に投票する

となり、票が割れてしまいます。

 

これではどちらも共倒れになってしまい、お互いにとってメリットがありません。

そこで、事前の取り決めで自民党はここ、公明党はここ…という風に立候補者を絞るのです。

自民党は、公明党(佐藤しげきさん)と被ってしまうことで公明党の心証を悪くしたくないという想いから、今回は柳本さんの立候補にストップをかけました。

 

 

 

「誰も支持しない」が15%

しかし、この関係を良く思っていないのが大阪3区の有権者さん。

15%が無効となった2014年の選挙では、立候補者が公明党・共産党の2名でした。つまり

 

今の立候補者に不満があるので、どの候補も微妙で選べない・選びたくない

という声が15%もいたことになるのです。

 

自民党維新の会立憲民主党の支持者にとっては、自分の”推し”である党がいないわけですから、支持しないという選択肢が出てきて当然ですよね。

 

 

白票には意味がある

長くなりましたが、何が言いたいのかというと「白票を投じる」というのは意味があることなんです。

前述したように、今回の柳本さんの動きは「白票率が高い」というデータを基に「誰も支持していないスキがある」と読んで立候補されかけたものです。

 

あるニュースサイトでは、

実際には白票が増えたとしても、有効投票ではないため候補者の当落を左右することはないものの、考えられる影響はあるかとの問いには、「白票の数が全体の1~2割に及ぶ事態になれば、政治家の活動にも影響を与えるかもしれないが、実際には起きづらい。白票が政治を動かすにはよほどのインパクトが必要だ」

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/cb5f9d91c0e9824c8a7dc6ec551ea3518ad91db0

と書かれていますが、今回のように実際に動きは起き始めています。

 

実際に、柳本さんはそこを狙って立候補しようと動かれました。

最終的には公明党の心証を悪くしたくない自民党が動いて出馬を断念させていますが、次の選挙でまた白票率が上がれば、新たな立候補者対策をしなければならなくなるでしょう。

白票は誰の票としてもカウントされませんが、投票自体をしないわけではないので投票率自体には反映されます。

 

今回の選挙では、白票率が上がればその穴をついて新しい立候補者が生まれる、「白票には意味がある」といういい前例になりました。

 

 

参考文献

47NEWS「“自公対決”騒ぎ、背景に「無効率15%」の衝撃 公明「聖域」に激震、維新も主戦論浮上

Yahooニュース「衆院選「白票」ツイート次第に増加――白票は無意味か?

産経新聞「公明に「宣戦布告の必要ない」 維新・松井代表

 

プロフィール

執筆者:207

鉄道Webサイト運営17年目。
現在Osaka-Subway.comを含む4サイトと付随する動画媒体を運営中。

鉄道サイト運営のノウハウから、サイトとは全く関連性がない
ようなことまであれこれ書いていきます。

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