先日、堺市にてだんじりが横転し、11名が重軽傷を負いました。
私も何度か転居していますが、一度だけだんじりがある地域へ住んだことがあります。そのうえではっきりと申し上げると、「だんじりは非参加者にとって生活のQOLを下げる要因」です。
ですので、転居の際にはこの「だんじりによる環境リスク」を考慮する必要があります。
私は2020年頃からこれを「だんじりリスク」と呼んでいます。
致命的ではないけど
引越し先を選定するのにあたっては、治安の良し悪しをまず見ると思います。
続いて電車通勤なら駅近かどうか、都市ガスかそうでないか…など色々あると思いますが、「だんじりがある地域か」も見ておいて損はありません。
だんじりがある地域へ住むとどんなリスクがあるのか、ざっと並べてみました。
1.交通規制
地味にうっとうしいのが交通規制。
年に数度といえど、公共交通よりもだんじりが優先されたり、急いでいる時にのろのろと地車が道路を占拠されると不愉快です。
場所によっては、さも「通って当然」みたいな態度で偉そうにしてる地域もあるそうです。
2.金の無心
だんじりは、周辺地域へお金をせびりに来ます。
まぁこれについては、歴史的経緯や地域文化を守るという意味では仕方ないかなと思う節もあったので、割と納得してたんです。
が、地縁もへったくれもない隣町の連中が一度無心に来たことがあり、流石にブチギレて追い返した経験があります。
これまでどちらかというと、それ以来あまりだんじりに良い印象を持っていません。
3.住環境の悪化
祭りになるとタガが外れ、騒音やごみの増加など、生活環境に影響を与える可能性があります。
また、だんじりの為に2~3ヶ月間、太鼓の練習音がうるさかったりもするそうです。
これはうちではなかったのですが、佐賀県伊万里市では「だんじりの事故で亡くなった子供の親が自治体に謝らなければいけない」という衝撃的な話もあるそうです。中世かな?
こんな村社会で排他的なところ、正直住みたくないですね…
【追記】
後にこの話を詳しく調べてみたところ、佐賀県伊万里市の「伊万里トンテントン祭り」でこのようなことが2006年にあったのは事実でした。
ただし死亡した高校生は禁止されていた飲酒を行い、飛び入り参加だったので保険にも入っていなかったことが発覚。謝罪に至ったのはこういった前提があったことも踏まえる必要があります。参考文献:
朝日新聞「伝統・安全、両立の道練る だんじり祭り、絶えぬ事故」、2019年10月30日
The best is yet to be.「けんか祭りと自己責任」事故は「合戦」の最中に起きた。それぞれ600?ある荒神輿とだんじりをぶつけて倒し合うこの祭り名物の出し物は、一説では百数十年続くという。飛び入りで参加した高校生は、この倒れただんじりの下敷きになって帰らぬ人となったのだが、彼はお神酒を勧められて血液からは高濃度のアルコールも検出された。つまり、ただでさえ危険なところに彼は泥酔した状態で合戦に参加するというある意味「自殺行為」とも言える行動に及んだ訳で、当然、伊万里市内には二重の衝撃が広がった事は言うまでもない。
問題はこれだけではない。この祭りでは今年の期間中に73人が負傷したが、初日の合戦では脊椎損傷の重傷を負う男性まで出た。彼の場合も逃げ切れずにけがをしたという事だが、毎年重傷者が出るこの祭りは9年前にも死者を出している。愛媛の松山秋祭りや大阪の岸和田だんじり祭りなどいわゆる「けんか祭り」と言われる祭りはいろいろあるが、こういう危険度の高い祭りはなかなか万全の安全対策は難しく、今挙げた祭りもトンテントン同様に死者を出した事がある。
トンテントンに限って言えば、祭りの性格上からかけが人が出ると「名誉の負傷」として拍手で救急車を見送る風習があり、これを見た観光客は違和感を覚える者もいるという。その一方で、事故後も合戦存続を容認する市民も多い。「小さい頃から合戦の太鼓が聞こえると胸が躍った」という市民もいるくらいで、中には合戦に出るために里帰りをする若者もいる。これは前出の松山や岸和田でも同様の声が聞かれ、祭りが市民の生活の一部となっている事もまた事実なのである。
http://bouron.blog.ocn.ne.jp/touma/2006/11/post_72cd.html
どこにだんじりがある?
大阪だと有名なのはやはり岸和田ですが、これ以外にも各所に諸々あると思います。
死亡事故を起こしただんじり
Yahoo!ニュースで取り上げられていた「過去に死亡事故を起こした地域のだんじり」が割と参考になりそうな感じ。
・2013年4月:兵庫県南あわじ市でだんじりのタイヤに頭部をひかれた中学2年の男子生徒が死亡
・2014年10月:兵庫県三田市でだんじりがぶつかった建物が倒壊、見物していた女性1人が死亡、16人がけが
・2015年9月:兵庫県淡路市でだんじりが転倒。男性1人が死亡
・2015年10月:大阪府泉佐野市でだんじりに引きずられ、男性1人が死亡
・2016年4月:大阪府岸和田町でだんじりと街灯に挟まれた男性1人が死亡
・2016年10月:大阪府忠岡町でだんじりとガードレールに挟まれた男性1人が死亡
・2019年8月:兵庫県尼崎市でだんじりが転倒。男性1人が死亡
・2022年10月:大阪府富田林市でだんじりが転倒。男性1人が死亡、3人が重傷出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/45733db2f8da4d2c8b4adecf4001bda797735a4e
上記からすると、
大阪府
岸和田市・泉佐野市・忠岡町・富田林市兵庫県
淡路市・南あわじ市・尼崎市
が、事故を起こすほどの激しいだんじりがあるということになります。
これらを統括して全体的に見ると、南大阪エリアと淡路島に多いことがわかります。
その他エリア
以前教えて頂いたものだと
・鴫野
・巽
・深井(堺市)
・今福鶴見
で見られるそうです。
尚、今福鶴見の意見では「落ち着いてて他とは違う」「うるさかった」など二分する意見もTwitter内で見られました。
余談
ちなみに、だんじりは西日本の文化で、東日本にはないそうです。
浅草とかありそうだな~って勝手に思ってたんですけど、あれは神輿になるわけですね。
東から西へ越される方、だんじりのあるなしには十分注意してくださいね。
ツイート
最近話題のだんじり、以前は全く無関心で何でもよかったんですけど隣町のだんじりが金せびってきてからすこぶる印象が悪くなったな
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) April 20, 2023
管轄町内のだんじりが寄付金募るのはまぁわかるんです。歴史的経緯や地域文化を守る意義としてもね
だから毎回渡してたんですけど、全く地縁も何もない隣町の連中が来た時はめちゃくちゃ怒って追い返したな
それ以来来てないですけど今でも他で同じことしてるんだろうか🤔— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) April 20, 2023
今はもうだんじり居ない場所に引っ越してますけど、そういう事案や事故があることを考えると、以前から言ってるように転居の際は「だんじりリスク」も考慮していかないといけないかもですね
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) April 20, 2023
関連リンク
Togetter「だんじりの横転事故の動画をアップ→「消して」のリプが溢れる」
https://togetter.com/li/2126358
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