何故アニメ映画が好まれ、俳優が出る邦画は避けられるのか

2021年、「鬼滅の刃」の映画が興行収入400億円を達成し話題となりましたね。

それまでトップの座に君臨していたのは「千と千尋の神隠し」ですが、どちらもアニメ作品です。

日本のアニメ映画作品は非常に強力な力を持っており、現在の興行収入ランキングTOP10のうち、9作品がアニメという事態になっています。

1位 鬼滅の刃 404億円
2位 千と千尋の神隠し 316億円
3位 君の名は。 250億円
4位 もののけ姫 201億円
5位 ハウルの動く城 196億円
6位 踊る大捜査線2 173億円
7位 崖の上のポニョ 155億円
8位 天気の子 141億円
9位 呪術廻戦 137億円
10位 風立ちぬ 120億円

しかしながら、それ以外の俳優が出演する映画作品については「踊る大捜査線」以外、全くランクインしていません。

これはどういう理由からなのでしょうか。

 

何故捻じ曲げる?

そもそも、近年の日本映画は何故舞台を東京にするのでしょう。

いや、正確にいうと「原作が東京じゃない作品」を、何故無理矢理捻じ曲げて東京にするのでしょうか。

 

これを顕著に感じたのは「ファブル」という作品。

原作は大阪が舞台で、作中でも南海なんば駅や天下茶屋駅のカットがよく出てくるのですが、実写映画にすると舞台が全て東京になっているのです。

 

一方で、アニメ作品はきちんと作者さんが想定した・作り上げた現地が出てきます。

「君の名は。」は岐阜県がモデルですが、制作上の都合で舞台が東京になったということはなく、アニメーターの方がちゃんと現地へ取材し、作品として作り上げています。

換言すれば、実写映画は現実を映し出さずウソをついていて、一方でアニメの方がきちんと現実と向き合い映し出しているのです。

 

昭和映画はちゃんと取材に行っていた

CGがなかったこともあるのでしょうが、昭和時代の「名作」と呼ばれる映画はちゃんとその舞台まで行って撮影していました。

出典:松竹株式会社「幸福の黄色いハンカチ」山田洋次監督、1977年

幸福の黄色いハンカチ」は美しい北海道の風景を、

出典:松竹株式会社・橋本プロダクション「砂の器」、松本清張原作、野村芳太郎監督、1974年

砂の器」は閑静な鳥取の小駅から

出典:松竹株式会社・橋本プロダクション「砂の器」、松本清張原作、野村芳太郎監督、1974年

大阪梅田の都会までを、しっかりと写し撮っています。

今回邦画で唯一ランクインしている「踊る大捜査線」も、原作は東京が舞台なのでちゃんと東京でロケを行い、嘘を作っていません。

 

現代技術なら、通天閣やあべのハルカスはCGで創り出せるかもしれません。

しかしその周りの街並みは?空気感は?

鑑賞者は馬鹿ではないんです。

プロフィール

執筆者:207

鉄道Webサイト運営17年目。
現在Osaka-Subway.comを含む4サイトと付随する動画媒体を運営中。

鉄道サイト運営のノウハウから、サイトとは全く関連性がない
ようなことまであれこれ書いていきます。

Twitterはこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です