「ニグロ・デー」は差別用語なのか?

ヘアスプレー」は、1960年代のアメリカ・ボルチモアをモデルとしたミュージカルです。2007年にはミュージカル映画としても制作されています。

どんな作品か化ざっくりに書くと「黒人と白人の差別をなくそう、ミュージカルで明るいノリに仕立てたよ」という映画です。

作中で差別意識がまだ強かった当時を象徴するような、黒人だけが出演できる「ブラック・デー」というのが出てくるのですが、英語原文だとこれを「ニグロ・デー」と言っているのです。

 

出典:映画「ヘアスプレー」

セリフだけでなく、冒頭のミュージカルソング「コーニー・コリンズショー」など歌でも「ニグロデー」(字幕はブラック・デー)となっており、矛盾が気になって仕方ありません。

 

ニグロ

米国などではニグロイド(negroidの英語発音に基づくカナ表記)という言い方は差別用語とされ、政治的に正しく、丁寧な呼び方として「アフリカ系の○○ (African-○○)」を使うことがある(中略)

ニグロと縮めて呼ぶのは前時代的な語法であり、現在では明らかな差別用語とされている

出典:Wikipedia「ニグロイド」

と、日本語版Wikipediaでは説明されています。

1995年の調査では、黒人自身がニグロと呼ばれることを好むのは3.28%だけだそうで、基本的には「ブラック」と呼ぶのが正しいんだとか。

 

このように、差別に配慮する意識が強いのはむしろアメリカなのに、英語原文では普通に「ニグロ・デー」と言われている。

しかしながら日本語訳では敢えて「ブラック・デー」と呼び替えられており、映画を見ていて「ん?」と思うことがありました。

 

出典:映画「ヘアスプレー」

このように、映画内の看板でも「NEGRO DAY」と書かれています。

日本が(邦訳担当が)意識しすぎてるだけなのでしょうか…?

 

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